iOS版ChromeやFirefoxで独自エンジン搭載に向けた開発が進んでいる

iPhoneやiPadなどのiOS搭載端末向けのブラウザにはレンダリングエンジン「WebKit」の搭載が義務付けられており、ChromeやFirefoxといったブラウザもiOS版にのみWebKitを採用する対応を行っています。このiOSにおけるレンダリングエンジン問題について、Chromeが独自エンジンの搭載を計画していることが報じられていましたが、新たにFirefoxも独自エンジンの搭載に向けて開発を進めていることが明らかになりました。

レンダリングエンジンはウェブブラウザに搭載されている画面描画システムで、記事作成時点ではGoogleが開発を主導する「Blink」、Appleが開発を主導する「WebKit」、Mozillaが開発を主導する「Gecko」の3種が主に用いられています。PCやAndroidでは各ブラウザが任意のレンダリングエンジンを搭載できるのですが、AppleはiOS向けのブラウザに対してWebKitの搭載を義務付けており、本来は異なるレンダリングエンジンを搭載しているブラウザもiOS版をリリースする際はWebKitの搭載が必須となっています。
AppleがWebKitの搭載を強制している状況には競合開発企業やコミュニティから非難の声が上がっており、各国の規制当局も監視の目を強めています。また、2024年にEUで施行される「デジタル市場法」ではAppleに「WebKit以外のレンダリングエンジンを認める義務」が生じると見込まれています。これらのWebKit強制の緩和につながる動きに応じて、GoogleがWebKitではなくBlinkを搭載したiOS版Chromeの開発を進めていることも明らかになっています。
Googleが「iOS向けブラウザアプリで強制されているWebKit採用」に反するBlinkベースのiOS版Chromeを開発中 – GIGAZINE

脱WebKitの動きはiOS版Firefoxでも進んでおり、開発リポジトリには2022年10月にGeckoのラッパーである「GeckoView」の有効・無効切り替え設定に関する開発の記録が残っています。

上記の記録への「この変更はどのリリースに含まれていますか?」という質問に対して、Mozillaのシニアソフトウェア開発者であるLaurie Marceau氏は「リリースには含まれません。これは、リポジトリにないセカンダリプロジェクトのためにの変更です」と応じており、Geckoを搭載したiOS版アプリを開発する別プロジェクトの存在をほのめかしています。

海外メディアのThe RegisterがMozillaに問い合わせた結果、Mozillaは「私たちは、AppleのApp Storeポリシーが変更された際にGecko搭載ブラウザが直面する技術的課題を調査しているだけです」と述べ、Gecko搭載版iOS向けFirefoxの明確なリリース予定があるわけではないことを強調しました。一方でMozillaは「私たちは、ユーザーが自由にブラウザやレンダリングエンジンを選択できる未来が来ることを願っています」と述べ、Gecko搭載版iOS向けFirefoxの開発に積極的な姿勢も見せています。

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分类:情報

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